代数多様体のモジュライ空間の,Gromov-Hausdorff収束による代数幾何的コンパクト化(K-moduli)とトロピカル幾何的コンパクト化
代数幾何学セミナー
開催期間
2014.12.12(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3階 小講義室2
講演者
尾高 悠志 (京大)
概要
コンパクトリーマン面のモジュライ空間を,Deligne-Mumford安定曲線のモジュライとしてコンパクト化することをプロトタイプとして,その高次元の代数多様体のモジュライ理論へ拡張するといった話をします.大変多様な観点でとらえられますが幾何的には,双曲計量の拡張であるケーラーアインシュタイン計量とそのGromov-Hausdorff収束からとらえられます.
まずは近年のFano多様体のKahler-Einstein計量の存在問題(K安定性)の進展を利用して,Fano多様体のモジュライ(K-moduli)理論を論じます.その後,より複雑な現象を生むカラビヤウ(リッチ平坦)の場合に話を転じ,主にアーベル多様体の場合にこだわって詳しく解説します.この場合はケーラー幾何だけでなく,崩壊をさせることで幾何的なミラー対称性の文脈(Strominger-Yau-Zaslow, Kontsevich-Soibelman, Gross-Siebert)と融合し,トロピカル幾何学(や結晶学)との深い関連が垣間みられ,モジュライの新たなコンパクト化をうみます.
※ このセミナーは代数セミナー,幾何学セミナーとの合同セミナーです.