分野別セミナー

Restricted volumes and divisorial Zariski decompositions
(arXiv : 1005. 1503) の代数的側面を紹介したい. 因子のコホモロジーの
漸近挙動は、因子の数値的類のみで定まる. 特に, 大域切断の漸近挙動は重要であり,
因子の『体積』と呼ばれ, 古くから研究されて来た. (部分多様体に沿った)体積である
『制限型体積』は, 豊富な因子の部分多様体に沿った自己交点数の一般化と見なせる.
本講演では, 制限型体積, (通常の)自己交点数, 動的交叉(moving intersection) の関係
について考察する. 部分多様体に沿った制限型体積の振る舞いと巨大な因子の
ザリスキー分解可能性の関係についても言及する. 時間が許せば, 元々の問題意識で
あった制限型体積の複素解析的な側面についても触れたい.