A1ホモトピーを法としてのMotivic Chow Series の有理性 *代数学・代数幾何学 合同セミナー
開催期間
15:30 ~ 17:00
場所
講演者
概要
非特異射影代数多様体の Chow Motive に対して
講演者は「有限次元性予想」を提出し、主な研究対象としている。
もしこの予想が正しければ、Motivic Zeta Series が有理関
数となることが従い、
例えば有限体上ではこれは Weil 予想の精密化と見なすこと
ができる。
Motivic Zeta Series は元の代数多様体の対称積の Chow
Motives の形式和と考えることができる。
一方、本研究の共同研究者である Javier Elizondo 氏は
Simplicial Toric 多様体に対して、Euler Chow Series の有
理性を示した。
Euler Chow Series は、元の多様体の Chow 多様体のオイ
ラー数の形式和と見なすことができる。
対称積は Chow 多様体の特別な場合なので、この両方を踏ま
えると、代数多様体の Chow 多様体の Chow Motives の形式和
(本講演ではMotivic Chow Series と呼ぶ)が有理関数となるかどうか、
疑問に 感じられるが、
(1)2次元以上の射影空間のDivisor の Motivic Chow Series
は有理的でない。
(2)一方、Xとアフィン直線A1との直積をXと
同一視する relation を入れると
(すなわちA1-ホモトピーを法として考えると)、トーリッ
ク多様体の Motivic Chow Series は
有理関数となる。
というふたつの結果が本講演の主定理である。
なお、この現象が、どのように一般化されるべきであるかは共同研究者
の Javier Elizondo 氏と
講演者の間で意見がまだ一致していない。
予想(K) 一般の代数多様体の Motivic Chow Series は A1
ホモトピーを法として有理関数となる。
予想(Elizondo) 射影平面をgeneral な10点で Blow up
した代数多様体Xに対して、
その Divisors の Euler Chow Series は有理的でな
い。よって Motivic Chow Series も有理的でない。
Elizondo 氏がこのように予想する理由は、この場合の Euler Chow
Series は、XのCox Ring
のPoincare 級数に一致することが知られているが、このXの
Cox Ring が有限生成でないことによる。