Error distribution of Milstein scheme and Crank-Nicholson scheme for SDE driven with fBm
九州確率論セミナー
開催期間
2023.6.23(金)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
ウエスト1号館 D-725
講演者
植田 健人(東京大学)
概要
与えられた確率微分方程式(SDE)の解yと数値解$\hat\{y^{(m)}\}$に対し、その誤差の漸近的なふるまいを誤差分布という。この誤差分布を研究する際の目標の一つは、任意のSDEとその解に収束する任意の数値解法に対し、誤差分布を与える方法を見つけることである。そのためにこれまで様々な研究が行われてきたが、SDEが$H\leq 1/3$のfBmで駆動される場合には、誤差の剰余項(実際は分布に影響しない項)の評価が難しいために、たとえfBmが1次元であっても、ドリフト項が存在しない場合を除き、誤差分布が特定されていなかった。一方、講演者はfBmが1次元の場合に$H\leq 1/3$における剰余項の評価を行い、それを用いて(k)-ミルシュタイン法の誤差分布を完全に決定し、クランク-ニコルソン法の誤差分布を$1/4$