分野別セミナー

KPZ普遍性は界面成長において観られる普遍的性質であり，相互作用粒子系と関連する性質であることが知られている．近年Quastel氏らによって，KPZ普遍クラスを特徴付けるとされる分布関数の一群がKPZ固定点として導入された．本講演では，モデルとして推移確率が行列式構造を持つTASEPを想定し，特定の条件を 満たす場合に，統一的にKPZ固定点が求められるようになったことを紹介する．また，上記の手法を新たに生み出すことで判明したTASEPのKPZスケーリングの係数の数学的意味や可解構造が持つ数学的性質について述べる．