Irreducible decomposition for Markov processes
九州確率論セミナー
開催期間
2017.1.20(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-D-725
講演者
桑江 一洋 (福岡大学)
概要
Abstract:
準正則対称ディリクレ形式または準正則局所半ディリクレ形式に対応する標準過程の枠組においてマルコフ過程の既約分解が成立することを報告する。ここで既約分解とはマルコフ過程が既約なマルコフ過程の非可算直和で表現できることをいう。直和の意味は、異なる2つの既約成分の交差集合が容量正のときそれらが容量0集合を除いて一致することを意味する。マルコフ過程が基礎となる測度について絶対連続なら通常の意味での直和となる。証明の鍵はDoob (1966)によって示された絶対連続性の条件下で成立する古典的なquasi-Lindel¥”of 性質を拡張したweak quasi-Lindel¥”of 性質である。このweak quasi-Lindel¥”of 性質は絶対連続性の条件がなくても成立する形で一般的な右過程の枠組でFitzsimmons-Getoor (1995)によって示された。応用として既約性の仮定を用いない形でのファイマンカッツ半群のスペクトル半径の$L^p$-独立性について述べる。