4次モーメント定理の一般化について
九州確率論セミナー
開催期間
2021.7.9(金)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
永沼 伸顕 (熊本大学)
概要
Nualart-Peccati (2005)による4次モーメント定理は,ひとつのWienerカオスに属する確率変数列の法則収束を2次と4次のモーメントの収束により特徴付ける定理である.全ての次数のモーメントの収束により法則収束を保証するモーメント法と比較すると,なぜふたつの次数のモーメントだけで法則収束の特徴付けが可能であるかは興味をひく.また,非整数Brown運動により駆動される確率微分方程式の近似解の漸近挙動を解析するためにも応用される.そのため定理自体が研究される一方で豊富な応用例をもつ定理であると言える.定理自体の研究のうちで目を引くものとして,Azmoodeh-Malicet-Mijoule-Poly (2016)らのものがある.彼らは解析的な手法により,4次モーメント定理を考察することで2次と任意偶数次のモーメントの収束により法則収束が導けることを示している.本講演では彼らの手法を紹介した後,4次と任意偶数次のモーメントの収束でも法則収束が言えることや更なる一般化に関する結果を紹介する.