Loewner chains and evolution families on parallel slit half-planes
九州確率論セミナー
開催期間
2020.1.10(金)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-D-725
講演者
村山 拓也 (京都大学)
概要
Schramm (2000)によるSchramm-Loewner発展(SLE)の導入以降,Quantum Loewner evolutionや複数のSLEパスを同時に走らせるmultiple SLEなど,種々の平面ランダム成長過程がLoewner方程式に基づいて調べられている.最近では,多重連結領域への拡張にも関心が向けられ,特に,Boehm-Lauf (2014)らによって,複数の(決定論的な)パスを多重連結領域に走らせた場合の小松・Loewner方程式が得られている.しかし,彼らの方法はmultiple SLEの類似物を構成する上ではやや不十分であり,Pommerenke (1965)やGoryainov & Ba (1992)らによる一般論から予想される性質を(直ちには)証明できない.そこで本講演では,縢りBrown運動の性質をもちいて小松・Loewner方程式をより一般的な枠組みで導出する試みを紹介する.