Strong algebraization of fixed point properties
作用素環論・エルゴード理論セミナー
開催期間
2016.2.15(月)
16:30 ~ 18:30
16:30 ~ 18:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 小講義室 W1-C-504
講演者
見村 万佐人 (東北大学大学院理学研究科)
概要
バナッハ空間(ないしはその族)に対し,「アファイン等長作用が必ず大域的固定点をもつ」という(有限生成)離散群の性質をここで固定点性質という.ヒルベルト空間全体からなる族に関する固定点性質は,一部界隈でアツい「Kazhdan の性質(T)」と呼ばれる性質と同値である.固定点性質は距離幾何やトポロジー,エルゴード理論や作用素環論,さらにエクスパンダーグラフを通じてコンピューター科学など,広い分野に寄与のある興味深い性質である,
1967年の Kazhdan の原論文から 3 以上の n について SL(n,Z) が (T) をもつことが従う.その証明法から "Kazhdan の呪縛" とでも言うべき問題が浮上した.1999年に Shalom は「Shalom の有界生成論法(別名 Shalom の代数化)」という画期的な手法を創始し,長らく場を覆っていた "Kazhdan の呪縛" を取り払った.一方その陰で,数学にはよくある話だが,この論法が今度は新しい "Shalom の呪縛" を生み出してしまった.
この "Shalom の呪縛" は昨年(2015年)になって,講演者によって打ち破られた.今回この解決を報告したい.講演では以上の背景(2 つの "呪縛" の内容など)および主結果の応用を概説し,時間が余れば主結果の証明についても述べる.
追記:
2/16--18 の期間,講演者による離散群の剛性などに関する入門的な非公式連続講演も行われます.詳細なスケジュールは本セミナー終了時に相談します.
* このセミナーは幾何学セミナーとの合同セミナーです.