曲線短縮方程式の離散化
可積分系セミナー
開催期間
2018.12.29(土)
15:30 ~ 17:30
15:30 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-C-716
講演者
松浦 望 (久留米工業大学)
概要
アブストラクト:
曲線短縮方程式は、金属の焼き鈍しの際の結晶粒界の運動を記述する数理モデルとしてマリンズ (1956)によってに提案された平面曲線の発展方程式です。その後、等周問題との関連からゲージとハミルトン (1986) やグレイソン (1987)らによって研究が進められ、現在では解の時間無限大の漸近挙動がよく理解されています。その一方で、可積分幾何の分野においては、非可積分な曲線の運動の例としてもよく知られた微分方程式です。曲線短縮方程式を素朴に数値計算すると、離散曲線の頂点が極端に集中したり極端に離れたりすることに起因したさまざまな数値的不安定現象が起こりますが、そのような不安定現象を回避する数値スキームが木村(1994) らによって研究されてきました。彼らの数値スキームのポイントは非自明な接線速度を導入することにありますが、このトークでは昨年ラーデマッヘルらによって提案された差分方程式をヒントに、木村らとは違った観点から離散曲線短縮方程式を提案します。