多自由度障壁トンネル効果の複素半古典論を用いた解析
力学系セミナー
開催期間
2008.11.13(木)
14:45 ~ 18:00
14:45 ~ 18:00
場所
箱崎キャンパス理学部3号館3311号室
講演者
高橋 公也 (九州工業大学 情報工学研究院)
概要
アブストラクト:
多自由度の障壁トンネル効果には、従来のインスタントン理論では説明
不可能なトンネル現象がある。その様なトンネル現象の中で、半古典論
が使える領域のものは、我々が近年見つけた複素領域の安定・不安定
多様体誘導トンネル効果によって説明がつく。このセミナーでは、まず、
量子カオスの立場から多自由度系のトンネル効果のレビューを行い、
次に、多自由度障壁トンネル効果における安定・不安定多様体誘導トン
ネル効果について解説する。一般に、多自由度障壁トンネル効果では、
従来のインスタントン理論と複素領域の安定・不安定多様体誘導トン
ネル効果が共存しているが、どちらのトンネル効果が支配的になるかを
判断する簡単な方法を提案する。時間があれば、これに関連した問題
として、連続時間の複素力学系特有の問題である移動特異点の問題に
ついても触れる。