超可積分シンプレクティック写像のバーコフ標準化とその剛性について
力学系セミナー
開催期間
2009.1.16(金)
14:45 ~ 18:00
14:45 ~ 18:00
場所
箱崎キャンパス理学部3号館3311号室
講演者
伊藤 秀一 (金沢大・理工)
概要
アブストラクト:
ハミルトン系のバーコフ標準化は、連続系の平衡点や周期軌道、
離散系の不動点などの不変集合のまわりでのダイナミクスを
近可積分系として捉えるための枠組みを与えるものであり、
ハミルトン力学系の研究の基本的な道具になっている。また、
標準形理論の立場から見ると、標準化変換の収束・発散の
問題が基本的であり、その意味からは、解析的な系での
収束バーコフ標準化変換の存在は、与えられた系の可積分性
と密接に関係している。
この講演では、この収束バーコフ標準化変換の存在問題を
めぐる研究の歴史を振り返るとともに、共鳴不動点のまわりの
シンプレクティック写像の族に対する収束バーコフ標準化の存在を
超可積分性(非可換可積分性)の観点から論じ、可積分系に特有の
剛性ともいうべき性質が成り立つことを示す。また、超可積分系の
一例として剛体の運動をとり上げ、ここで得たバーコフ標準化の
応用について述べたい。