有理写像と最尤推定復号:力学系からの符号理論へのアプローチ
力学系セミナー
開催期間
2010.8.5(木)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室6
講演者
平岡 裕章 (広島大)
概要
概要:この講演では誤り訂正符号理論に力学系的視点を導入する最近の試みについて
解説する.ここで最も重要になってくるアイディアは最尤推定復号をある有理写像と
して定式化することである.この有理写像は符号語を不動点に,非符号語を極にもつこと
が示せるが,これらの安定性を調べることで最尤推定復号の骨格を表す近似写像が定義
できる.
この講演ではこの近似写像を用いて新たな実用的な符号化法を提案する.
紹介する結果としては以下の2点を予定している.
1.符号-復号双対定理:生成行列の列ベクトルの1次独立性が復号性能を制御し,
これにより代数幾何符号の道具が復号過程に使えることを示す.
2.誤り率特性:ここで提案する符号方式が,現在実用化されている幾つかの符号
(BCH符号等)よりも誤り率特性が優れていることを数値的に示す(林和則氏(京大)との共同研
究).