コンパクトケーラー多様体のラプラシアン固有値の最大化問題
幾何学セミナー
開催期間
2023.7.7(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
W1-D-313, もしくはZoom上
講演者
成田 知将(名古屋大学)
概要
【講演要旨】与えられたコンパクト多様体Mにおいて, 体積が1となるようなリーマン計量全体を考える. このとき, 計量から定まるラプラシアンの最小正固有値は, そのような計量全体の上の汎関数とみなせる. Nadirashvili(1996)は, 計量$g$がそのような固有値汎関数の臨界点であるとき, ラプラシアンの固有関数の適当な組が$(M,g)$の球面への等長極小はめ込みを与えることを示した. Apostolov-Jakobson-Kokarev(2015)は, リーマン計量全体ではなく, コンパクトケーラー多様体においてケーラー類を固定して固有値汎関数の臨界点を調べた. 本講演では, コンパクト複素多様体において, 体積が1となるようなケーラー計量全体を考え, 固有値汎関数の臨界点について考察する. とくに, NadirashviliやApostolov et al.の結果との共通点や相違点を, 例を挙げながら述べる. 本講演はプレプリントarXiv:2304.06261の内容に基づく.