Stochastic Coulomb dynamics in infinite dimensions
力学系セミナー
開催期間
2013.1.25(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 数理学研究院/IMI3階 中セミナー室3
講演者
長田 博文 (九大数理)
概要
概 要:
この講演では、Coulomb potentialで相互作用する無限粒子系について論じる。
これは無限個の独立なd次元ブラウン運動がe次元 Coulomb potentialで
相互作用しながら、ランダムに時間発展していく確率力学のモデルである。
とくに、d次元空間で、d次元Coulomb potentialで相互作用する場合が、
興味深い。講演者は、この場合、逆温度\betaの値に応じて、相転移が起こると
いう予想を持っており、それについて、observation及び、数値シミュレーション
とビジュアルシミュレーションを紹介する。
実は、数学的には、d=2かつ相互作用の強さを規定する定数、逆温度\beta =2 の
時だけが、確率力学が構成されている。つまり、(d,e,\beta) = (2,2,2)の場合
である。これ以外の場合は、確率力学はおろか、平衡分布の存在も、今は手の
届かない問題である。
2D Coulomb potentialを1次元空間で扱った場合、\beta =1,2,4のときは、
DysonモデルやAiryを含み、確率力学の構成や、確率微分方程式の一意的強解に
ついて、最近、種村氏との共同研究において、満足のいく結果が得られた。
これらの結果は確率幾何の確率力学への応用で有り、きわめて汎用性のあるもの
と思われる。これについても述べる。
* このセミナーは九州確率論セミナーとの合同セミナーです。