Exact WKB analysis and cluster algebras
力学系セミナー
開催期間
2014.11.13(木)
15:00 ~ 16:30
15:00 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 数理学研究教育棟/マス・フォア・インダストリ研究所3F 中セミナー室6
講演者
岩木 耕平 (京都大学)
概要
概要:
Voros により1980年代に創始された完全WKB解析(Exact WKB analysis)は、2階線形常微分方程式の大域的解析に非常に有効である。一方、団代数(cluster algebras)とは、初期変数たちから「変異」と呼ばれる双有理変換で得られる変数たちを生成元とする代数であり、Fomin-Zelevinsky により導入された。団代数が持つ構造は様々な数学、物理の分野(表現論、双曲幾何、可積分系など)に現れることが知られており、現在活発に研究されている対象である。本講演では、完全WKB解析における様々な量や公式が団代数の言葉で定式化できることを解説する。特に、我々の観点からは団代数における変異は「(ある種の) Stokes現象」として理解できることを説明したい。これらは中西知樹氏 (名大・多元数理) との共同研究により得られた結果である。