クープマン作用素による非線形力学系の解析と工学応用
力学系セミナー
開催期間
2018.1.25(木)
15:00 ~ 18:00
15:00 ~ 18:00
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-C-615
講演者
薄 良彦 (大阪府立大学 工学研究科)
概要
クープマン作用素とは,非線形力学系の観測量(系の相空間上で定義されるスカラー関数)の時間発展を表す作用素である.非線形の微分あるいは差分方程式で記述される力学系に対して,クープマン作用素は無限次元であるものの線形となる.この性質を利用することにより,非線形力学系の解析や制御を線形作用素の観点から行うことが可能になる.現在までに,クープマン作用素のスペクトルに着目することで,線形システムに対するモード分解の一般化であるクープマンモード分解が提案され,流体,電力・エネルギー,画像処理,機械学習など,様々な分野との融合研究が進んでいる.本発表では,クープマン作用素に基づく非線形力学系の解析について紹介する.また,講演者のグループが取り組んできた電力・エネルギーシステム工学への応用研究について時間の許す範囲で紹介する.本発表の内容は,Igor Mezic教授(UCSB),引原隆士教授(京大),ManelMartinez-Ramon教授(UNM)らとの共同研究である.