次元が無限大に発散する球面列・射影空間列の収束
幾何学セミナー
開催期間
2021.11.25(木)
16:30 ~ 17:30
16:30 ~ 17:30
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
数川 大輔(大阪大学)
概要
測度距離空間(の同型類)全体の集合上の距離として, オブザーバブル距離と呼ばれる距離がGromovによって導入された. オブザーバブル距離による位相は, LévyやV. Milmanによる測度の集中現象に基づくことから, 集中位相と呼ばれている. Gromovはさらに集中位相の自然なコンパクト化も同時に導入しており, このコンパクト化の各元をピラミッド, コンパクト化上の位相を弱位相という.
本発表では, 標準的なリーマン計量をもつ球面および射影空間について, これらの次元が無限大に発散する列が, ピラミッドの弱位相で, 無限次元ガウス空間およびそのホップ作用による商にそれぞれ収束することについて述べる. 先行研究として塩谷および塩谷-高津によりユークリッド距離の場合がすでに示されていた. 時間の許す限り, 先行研究から今回の主結果まで幅広くお伝えしたい.