分野別セミナー

Private Information Retrieval (PIR) とは，複数台のサーバで共有されたデー タベースからインデックスの情報を秘匿しつつデータを取り出すための暗号技術 であり，株価の検索への応用や他の暗号技術の要素技術としての側面からその重 要性が指摘されている．中でも現実世界では改ざんや故障のためサーバがプロト コルに正しく従うとは必ずしも想定されないため，サーバの応答の一部が誤りを 含んでいる場合に誤り訂正・検出を達成するPIR方式の研究が進められてきた． 例えば誤りの個数がサーバ数の半数未満の場合に確率1で誤り訂正可能である方 式が提案されている．本講演では，確率1での誤り訂正を達成するPIR方式の中で はこの既存方式が通信量の意味で最適であることを示すとともに，非零の失敗確 率を許した場合の誤り訂正可能PIRの通信量の解析に関する研究成果を紹介する．


（連絡先：縫田 nuida (at) imi.kyushu-u.ac.jp ）