非等方的エネルギーに対する変分問題とその離散化
幾何学セミナー
開催期間
2020.1.28(火)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-D-625
講演者
軸丸 芳揮 (九州大学)
概要
十分小さな塩の結晶などの表面張力が向きに依存する対象は,「非等方的エネルギー」の囲む体積を変えない変分に対する臨界点としてモデル化される.その臨界点は非等方的平均曲率一定曲面として特徴づけられ,シャボン玉をモデル化する平均曲率一定曲面の一般化である.一方で離散微分幾何学は,離散的な対象を微分幾何学的な手法で研究する分野であり,近年はコンピューター上での可視化とも関連し,特に変分原理に基づく離散化はベルリン自由大学のKonrad Polthierらのグループによって活発に研究が進められている.本研究では,離散曲線・曲面の非等方的エネルギーに対する変分問題を考えることにより,変分原理によって非等方的平均曲率一定な離散曲線・曲面を定式化し,それらの基本的性質や安定性について調べ,さらに可視化を行った.本講演では,特に安定性に関して得られた結果を紹介する.