物理現象の記述と解明に動機を得た幾何学的理論構築の試み
幾何学セミナー
開催期間
2019.2.4(月)
16:20 ~ 17:20
16:20 ~ 17:20
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-C-616
講演者
畠山 優太 (九大数理)
概要
物理現象の記述と解明のために数学理論が有用であることは広く知られている.本講演では,このような視点から行った以下の二つの研究課題について発表する.(1) 滑らかな曲線の曲率及び捩率の離散曲率及び離散捩率による近似,(2) 螺旋状ワイヤーを張る微小液滴の幾何解析.(1) では,本来曲線の式からしか得ることのできない曲率と捩率を曲線上の離散点のみの情報により近似し,その離散化誤差を評価する.(2) では,液体に浸した非常に小さなコイル(螺旋状ワイヤー)をゆっくりと持ち上げた時にコイルの内側に残留する微小液滴の表面形状を決定する数理モデルの作成を行う.具体的には,液滴には表面張力のみが働いていると仮定し,一つの常螺旋を境界とする安定な平均曲率一定曲面を求める.特に,実験結果に鑑み平均曲率が一定な螺旋曲面(helicoidal surface)について考察する.