空間の集中・収束・消散(Concentration, convergence, and dissipation of spaces)
幾何学セミナー
開催期間
2014.1.10(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
塩谷 隆 (東北大学)
概要
コンパクトなリーマン多様体(またはより一般に測度距離空間)の列が与えられたとき,次の3種類の状況を考える.
(1)1点空間へ収束する.
(2)消散する.つまり,空間がバラバラに分解して,互いの部分がどんどん離れていく.
(3)ある空間へ収束する.
ここでの収束は,測度の集中現象に基づきグロモフが導入したものである.
例えば,次元が増えていく球面の列については,半径のオーダーが次元の平方根のオーダーより小さいとき(1)が起こり,次元の平方根より大きいとき(2)が起こり,丁度次元の平方根のオーダーのとき(3)が起こる.これは相転移現象の類似となっている.本講演では,どのような多様体の列について,このような相転移現象が観測されるかを考察する.