複素球面内の余等質性1の特殊Lagrange部分多様体について
幾何学セミナー
開催期間
2011.11.18(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
橋本 要 (大阪市立大)
概要
*幾何学セミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。
【講演要旨】:Calabi-Yau多様体には複素体積形式の実部をとることにより自然なキャリブレーションが定義されます.
このキャリブレーションによりキャリブレートされる部分多様体は特殊Lagrange部分多様体と呼ばれ,
ホモロジー類内での体積最小性という顕著な特徴をもつことが知られています.
一方, 階数1のコンパクト対称空間の余接束内にはStenzelが構成した
余等質性1のRicci平坦Kahler計量が入ることが知られています.
この講演では, このStenzel計量の対称性に着目し,
球面の余接束内の余等質性1のLagrange部分多様体の構成について説明します.
さらに, これらのLagrange部分多様体が特殊Lagrange部分多様体になるための条件は
常微分方程式によって記述することができます.
したがって, この常微分方程式の解を調べることにより, 特殊Lagrange部分多様体の特異点の様子
および無限遠での漸近挙動についても考察ができるので, その様子についてもご紹介したいと思います.
なお, この講演は酒井高司(首都大学東京)さんとの共同研究に基づきます.