相対双曲群のMayer-Vietoris完全列とNovikov予想
幾何学セミナー
開催期間
2011.7.8(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
深谷 友宏 (京都大)
概要
*幾何学セミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。
【講演要旨】相対双曲群(G,P)とは,有限生成群Gと,その部分群の集合P={P_1,\dots,P_k}の組で,
この指定された部分群をある意味で無視すると,双曲的になる群の事です.
例えばZ2とZの自由積は,Z2に関して相対双曲群になります(ここでZは無限巡回群).
この相対双曲群(G,P)に関しては多くの結果が知られています.例えば
・P_1,\dots,P_kの漸近次元が有限なら,Gの漸近次元も有限(Osin)
・P_1,\dots,P_kが完全群なら,Gも完全群(Ozawa)
・P_1,\dots,P_kがヒルベルト空間にCoarse埋め込みできるなら,Gもできる.(Dadarlat-Guentner)
これらの結果は,Yuの結果を用いる事により,対応する群のCoarse Baum-Connes予想を
導きます(従ってNovikov予想も導く).
この講演では,CoarseカテゴリーにおけるMayer-Vietoris完全列を用いる事により,
相対双曲群のCoarse K-homologyを直接計算する方法についてお話しします.その結果として,
相対双曲群のNovikov予想が直接導かれる事を紹介します.この講演は尾國新一さん(愛媛大学)
との共同研究に基づきます.