VII 型複素曲面上の反自己双対双エルミート計量
幾何学セミナー
開催期間
2011.7.1(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
藤木 明 (大阪大)
概要
*幾何学セミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。
【講演要旨】:
4次元微分多様体上のリーマン計量は, そのワイル曲率の自己双対部分が消える
とき反自己双対とよばれる(Penrose). 特に多様体が複素曲面で, 計量がエルミートである
場合を考える. 曲面が非ケーラーである場合は, それは必然的に小平の意味でVII型であることが
知られているが, その存在についてはほとんど知られていない.
Hopf 曲面上での分類が知られているほかは, LeBrun ('91) による ある種のHopf 曲面のblow-up
およびある種の放物型井上曲面上の例が, 長らく唯一の例であった. 一方, これらの知られている例は,
実はエルミート性だけでなく, 双エルミート性を持つことが分かっており, 逆に,
反自己双対双エルミート計量を許す曲面は, 極小であれば, 対角Hopf 曲面, 放物型井上曲面,
双曲型井上曲面のいずれかに限ることが知られている. セミナーでは, 任意の双曲型井上曲面上に
反自己双対エルミート計量の存在を示した最近の Pontecorvo との研究結果を紹介する.