リウヴィル曲面上の特異半古典近似
幾何学セミナー
開催期間
2011.6.17(金)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
清原 一吉(岡山大)
概要
*幾何学セミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。
【講演要旨】:
リーマン多様体のラプラシアンに対する半古典近似とは、大まかにいって、
「余接束のラグランジュ部分多様体がマスロフの量子化条件を満たすとき、
そのエネルギーレベルはラプラシアンの固有値の近似値を与える」という
ものである。可積分測地流を持つリーマン多様体においては、そのような
ラグランジュ部分多様体が十分沢山あると考えられ、従ってラプラシアンの
すべての固有値がそのように近似されると期待される。
この講演ではリウヴィル曲面の場合にこの問題を考え、1つには、
ラプラシアンの固有値で、通常の半古典近似値が対応しないものがあること、
また1つには、そのような固有値に対して、新しい「特異」半古典近似値が
存在することを紹介する。「特異」という呼び名は対応するラグランジュ
部分集合が特異点を持つ(もはや多様体でない)ことによる。