分野別セミナー

＊幾何学セミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。

【講演要旨】：
まず初めにゲージ理論の歴史について振り返る。
次に、「すべてのコンパクト４次元多様体は非自明なインスタントンを持つ」という
タウベスの定理に対抗するために、筆者が証明した、
非自明なインスタントン（エネルギー有限のASD接続）を持たない開４次元多様体が
存在するという結果を紹介する。

以上の話を前置きとして、次に無限エネルギーASD接続の研究の話を行う。
特に、松尾信一郎氏と共同で研究した、シリンダー上のASDモジュライ空間
（無限エネルギーのものも考えるので、一般に無限次元になる）の平均次元に関する
研究を説明する。
ここで、平均次元とはグロモフによって導入された、無限次元力学系の不変量である。
主結果は、モジュライ空間の局所平均次元と呼ばれる量を、接続のエネルギー密度で評価する
という公式である。