(2012年度) 第1回組合せ数学セミナー
開催期間
13:00 ~ 18:00
場所
講演者
概要
講演予定
13:00-13:50
島袋 修 (崇城大学)
Osamu Shimabukuro (Sojo University)
Title: ジョンソンスキームのモジュラー隣接代数の構造について
(On structures of modular adjacency algebras of Johnson schemes)
Abstract:
We consider algebras over a field of characteristic p which are generated by adjacency
algebras of Johnson schemes. If the algebra is semisimple, the structure is the same as
that of the well-known Bose-Mesner algebras. We determine the structure of the algebra
when it is not semisimple
14:05-14:55
田坂 浩二 (九州大学大学院 数理学府)
Koji Tasaka (Kyushu University)
Title: The formulas of representing integers as sums of squares
Abstract:
ある自然数を s 個の平方数の和で表す方法の個数の明示公式の研究は1800年前後からなされてお
り, 数論の古典的な問題の一つである. これに対し, 今回, s が8の倍数のときに新たな公式が見つか
ったので, それを紹介する.
15:25-16:15
城戸 浩章 (福岡大学)
Hiroaki Kido (Fukuoka University)
Title: 一般アダマール行列のサイズの拡張について
(On the extension of sizes of generalized Hadamard matrices)
Abstract:
一般の有限群において、その元を成分とする正方行列がアダマール行列の類似の性質をみたすとき、
一般アダマール行列といいます。本講演では、有限体の加法群について、既に得られた一般アダマ
ール行列からさらに大きなサイズの一般アダマール行列を得る方法について紹介します。
16:30-17:20
秋山 正和 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所)
Masakazu Akiyama (Kyushu University)
Title: A Mathematical Model of Cleavage
Abstract:
卵割とは発生の初期段階において、受精卵が全体のサイズをほぼ一定に保ちつつ、分裂を繰り返
しながら、細胞数を増やしていく過程である。この間、割球同士の配置やタイミングがいかに調整
されて、自己を複雑に形作るのかは謎とされている。このような発生現象は一般的に、遺伝子すな
わち分子レベルの情報で決まっていると考えられがちである。しかしながら、黒田玲子氏(東京大)
が行った巻貝に対する一連の実験 [1] からもわかるように、物理的な外力が巻貝の巻き方を反転さ
せることから、発生は遺伝子の情報がすべてを決めているのではなく、より単純な別の原理により
起こっているに違いない。我々は図1のようなウニとナマコの卵割パターンについて、卵内の分裂
装置の位置が卵の形状とモルフォゲンにより決まっているという単純な仮説を立て、数値シミュレ
ーションを行った。その結果、このような複雑な形状を持つ卵割を再現することができた。
ウニ卵の動物極・植物極付近にはそれぞれ異なる拡散性の化学物質が存在していることがわかっ
ている。ここでは、これらが中心体の動きに影響を与えるという仮説を用いた。例えば、中心体に
対して動物極からの化学物質が忌避性を、植物極からの化学物質が誘因性を持った場合、図2にある
ような複雑なウニの卵割が再現できた。上段は実際の卵割、下段はシミュレーションであり、16細
胞期のような複雑な形状を持つ場合でさえ、中心体の方向性だけでなく、小割球-中割球-大割球まで
もが再現できている。このことからわかるとおり、卵割の再現は化学物質の拡散現象が重要であると
考えることができる。本発表ではモデルをより深く掘り下げて紹介するとともに、ナマコへのモデル
の適用性なども紹介する。
リンク
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