対称空間上のベクトル束、等径関数とラドン変換
幾何学セミナー
開催期間
2009.10.16(金)
14:50 ~ 18:00
14:50 ~ 18:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室2
講演者
長友 康行(九大数理)
概要
コンパクト対称空間上において、ある特別な性質をもつ表現空間をラプラス作用素の固有空間とする等質ベクトル束を対象として、その固有切断のノルムの2乗をとることにより、対称空間上の関数を考える。
この関数はMorse-Bott関数となり、その臨界部分多様体は2つの連結成分よりなることがわかる。さらにそれぞれの部分多様体は全測地的であることが示される。また、この関数の等位集合は、余次元が1,,3である
対称空間上の群作用の軌道となることが示され、余次元が1の場合には問題の関数が等径関数であることがわかる。また、余次元が高い場合にも、問題の関数から別の関数を構成し、それらがベクトル値等径関数であることが示される。ただし、余次元が高い場合でもベクトル束から新たなベクトル束を構成することにより、これらの軌道が余次元1の軌道と関係し、同様な操作により新たな等径関数が得られることがわかる。等径関数をより幾何学的に捉えることが目的のひとつである。
最期に、これらの対称空間から球面へのラドン変換を定義し、われわれが構成した等径関数がラドン変換により、球面上の等径関数に対応することを紹介する。
*このセミナーはグローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ」
の活動の一環として行われております。