Born-Oppenheimer Potential Energy Surfaces for Kohn-Sham Models in the Local Density Approximation
関数方程式セミナー
開催期間
2022.6.10(金)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
後藤 ゆきみ (九州大学)
概要
二つの電気的に中性(陽子と電子がおなじ数)な原子がある系を考える。 量子力学の教科書には、これらは van der Waals 力と呼ばれる長距離力で距離Rの-6乗 (遅延効果を入れると-7乗)で引き合うと書かれており、 Lieb と Thirring によって非相対論的シュレディンガー理論においては厳密に証明もされている(Phys. Rev. A 1986)。 しかし、安定な場所よりもっと原子同士を近づけると、反発力が強くなるはずである。 本講演では、密度行列汎関数法による局所密度近似と呼ばれる非線形方程式による近似で、 反発力が距離Rの-7乗程度であることを説明する。 これはもともとのシュレディンガー理論においても成り立つと Solovej によって予想されている(Molecular Physics 2016)。 証明においては原子半径の評価が本質的であり、その物理的な意味と証明の手法について主に説明する。