異なる伝播速度をもつ半線形波動方程式系の爆発曲線について
関数方程式セミナー
開催期間
2022.5.27(金)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
佐々木 多希子(武蔵野大学)
概要
本講演では,空間1次元のある半線形波動方程式系の爆発解について考える.波動方程式は解が有限伝播性を有するため,解が爆発する時刻が場所に依存することが知られている.解の爆発する時刻を記述する関数やその関数が描く曲線を爆発曲線とよぶ.爆発曲線付近での解の性質と爆発曲線の滑らかさには密接な関係があるため,爆発曲線はその微分可能性に焦点を当てた研究がなされてきた.2012年にMerle-Zaagにより,空間1次元のべき乗型非線形項を持つ波動方程式において符号変化する解を考えるとき,爆発曲線が微分不可能な点を含むことがあることが示された.また,このとき爆発曲線の傾きは波動方程式の伝播速度に依存することが示された.しかし,伝播速度が異なる波動方程式系の場合,爆発曲線の性質,特に微分不可能な点の有無や,微分不可能な点が存在する場合,その点付近での爆発曲線の性質はよく分かっていなかった.本講演では,伝播速度が異なる波動方程式系の爆発境界について得られた結果を報告する.
最新の講演題目・要旨等の情報につきましてはホームページ
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/FE-Seminar/
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