Bogoliubov変換による対相互作用模型の対角化
数理物理セミナー
開催期間
2023.2.9(木)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
C-716
講演者
佐々木 格 (信州大学)
概要
量子場の相互作用系で厳密に解ける模型は少ない. その中で,解ける模型とされてきた模型の一つに対相互作用模型がある(対模型,ペアモデルとも呼ぶ方が一般的かもしれない). これは場の2次の相互作用を持つ量子場であり,ヘンリー・ティリングの教科書では「解ける相互作用の例」として紹介されている. そこでは,古典場に対する散乱理論とBogoliubov変換を経由してハミルトニアンが対角化される. 新井氏はこの手続きを数学的に正当化し,双極近似のPauli-Fierz模型などの解析に応用した. 本講演では,散乱理論を経由せずに,直接的にBogoliubov変換を経由し対角化を行う方法を紹介する. 対角化後のハミルトニアンは具体的な1粒子ハミルトニアンの第2量子化と基底状態エネルギーとの和に表される.
(参考文献) Y. Matsuzawa, I. Sasaki and K. Usami: Explicit diagonalization of pair interaction models, Analysis and Mathematical Physics(2021)