離散シュレディンガー作用素の連続極限について
数理物理セミナー
開催期間
2022.10.6(木)
16:30 ~ 18:00
16:30 ~ 18:00
場所
W1-C716
講演者
只野 之英 (東京理科大学)
概要
離散シュレディンガー作用素は結晶固体中の電子の挙動を強束縛近似することによって得られるハミルトニアンとして知られる一方で,連続空間上のシュレディンガー作用素の離散近似としての側面もある.格子幅を狭める連続極限で離散シュレディンガー作用素は通常のシュレディンガー作用素に形式的には収束するが,実際に「収束する」ことを厳密に研究したものは非常に少ない.本講演では,正方格子の場合にこの連続極限を作用素論の観点から定式化した上で,その意味で連続極限が成立し,その系として離散シュレディンガー作用素のスペクトルがシュレディンガー作用素のスペクトルの良い近似になっていることを示した結果(中村周氏(学習院)との共同研究)を紹介する.時間が許せば,量子グラフの連続極限を扱った最近の結果(中村周氏(学習院),Pavel Exner氏(Czech Technical University)との共同研究)も併せて紹介したい.
連絡先 廣島文生