一般次元の多体電子系における繰り込み群の方法
数理物理セミナー
開催期間
2016.4.13(水)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 中セミナー室 W1-C-616
講演者
鹿島 洋平 (東京大学大学院数理科学研究科)
概要
格子上を移動し、相互作用する電子たちからなる量子多体系を正の温度下で考える。超立方格子上のhalf-filledの多体電子系に対して繰り込み群の方法を構成し、以下のことを証明する。もし系に市松模様状の外部磁場が与えられているならば、系の自由エネルギー密度は結合定数に関して体積、温度に依存しない原点の近傍で解析的であり、無限体積、絶対零度への極限に一様に収束する。この外部磁場に関する条件は自由エネルギー密度が最小となるための十分条件を含んでいる。したがって、系の最小自由エネルギー密度についても同様の結合定数に関する解析性と絶対零度への収束性が成り立つ。これらは先に得られた結果の空間次元、外部磁場、相互作用項に関する一般化になっている。今回は特に以下の2点に焦点をあてて説明する予定である。
1.先の空間2次元での手法をどのように2以上の一般次元の場合に拡張するか。
2.運動量空間での特異点の周りのマルチスケール展開(赤外積分)の方法。
※ 講演は黒板(板書は英語)で行います。