新しい漸近的摂動論と質量ゼロの量子場理論への応用
数理物理セミナー
開催期間
2013.1.17(木)
16:00 ~ 17:30
16:00 ~ 17:30
場所
九州大学 伊都キャンパス 伊都図書館3F 中セミナー室7
講演者
新井 朝雄 (北海道大学)
概要
通常の解析的摂動論や漸近的摂動論では、孤立固有値のみを摂動論的考察の対象とする。本講演では、無摂動作用素の固有値が非孤立固有値である場合にも有効であり得る新しい漸近的摂動論を提示する(無摂動作用素の固有値が非孤立固有値である重要な例は、たとえば、質量ゼロの量子場理論において現れる)。応用として、一般化されたスピン--ボソンモデルと呼ばれる量子場のモデル(質量ゼロの場合も含む)の基底状態エネルギーは、その結合定数について任意の有限次数までの漸近展開をもつことが導かれる。