液膜流下での結晶成長時における界面の形態不安定性
現象数理セミナー
開催期間
2011.6.23(木)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室3
講演者
上之 和人
概要
根雪の融解水の再凍結で出来た氷柱の表面が薄い液膜流で覆われているとき、リングを積み重ねたような規則正しい1cm程度間隔の凸凹が現れる。
このことは既に寺田寅彦の随筆集(1947)の中でも指摘されていたが、凸凹形成のメカニズムは長年未解決 だった。鍾乳石や石灰華棚、航空機翼先端への着氷時にも氷柱の凸凹と類似のパターンが現れる。このような現象を液膜流下での結晶成長時における界面の形態不安定性としてとらえ新しい理論を構築したので紹介する。特に固液界面の成長条件に気液界面の形が決定的な影響を与えることを示す。また理論予測を検証するために行った実験について触れる。