粘菌の賢さとその応用
現象数理セミナー
開催期間
2011.4.12(火)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
伊都キャンパス 伊都図書館3階 中セミナー室7
講演者
手老 篤史(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
概要
真正粘菌変形体は単細胞生物でありながら、迷路を解くなど最適なネットワークを見つけたり、記憶・想起現象を行うことがわかってきました。ここではそれらのメカニズムを数式を用いて解明し、その技術を他の系に応用した結果を時間が許す限り説明します。
例えば粘菌は2ヵ所の餌に接触すると最短経路上を管のような構造をしたもので繋がりながら餌のまわりに集まる。また、複数点の餌に接触するとこの時の管ネットワークは最短性や断線保障性などを備えた優れたネットワークとなっている。ここでは粘菌が輸送ネ
ットワークを作る法則を数式で表す事により、他の適応的なネットワークにも応用できる統一理論を紹介する。
また、粘菌は周期的な刺激を受けるとそのタイミングを記憶するという行動をとる。脳の無い粘菌がなぜこのような動きができるのだろうか。ここでは粘菌に観察されている多くのリズムに着目することにより、この現象を解明します。その上でここで得られた方程式を全く異なった系である四脚歩行動物の歩容遷移へと応用した結果についても時間が許せば説明したい。
今回は九州大学数値解析セミナーとの合同セミナーです.
今回は合同セミナーのため通常と曜日が異なりますので、ご注意下さい。