エントロピー生成及びエントロピー変化とパターン形成
現象数理セミナー
開催期間
2008.12.8(月)
10:30 ~ 12:00
10:30 ~ 12:00
場所
箱崎キャンパス 理学部 3号館 3110 号室
講演者
真原 仁 (産業技術総合研究所 つくばセンター)
概要
*曜日・時間にご注意下さい。
パターン形成など非平衡系の研究は、そのダイナミクスの記述を中心に盛んに行われている。これらの研究は秩序形成と熱力学第2法則との整合性に関する疑問から行われてきた。しかしながら、熱力学観点による非平衡系の研究とパターンダイナミクスの研究をつなげる研究はあまり行われていない。ここでは、熱力学的指標であるエントロピー生成およびエントロピー変化とパターン形成の関係について紹介する。始めにエントロピー生成とパターン形成の関係をしめす。ここでは、パターンの発展に応じてエントロピー生成が増えることが示される。次に、エントロピー変化とパターン形成について議論する。この量を計算するために、標準化学ポテンシャルの値が既知でなければならない。しかし、仮想的な化学反応モデルにおいてこの値は未知である。そこで、標準化学ポテンシャルの値が未知であってもエントロピー変化が計算できるように相対的な化学ポテンシャルを導入した。これにより、エントロピー変化とパターンの関係を議論することが可能となった。