単安定な反応項をもつ対数拡散方程式の解の挙動について
関数方程式セミナー
開催期間
2021.5.28(金)
15:30 ~ 16:30
15:30 ~ 16:30
場所
Zoomによるオンライン開催
講演者
下條 昌彦 (東京都立大学)
概要
対数拡散方程式は, 未知関数の負ベキを拡散係数に持つ非線型拡散方程式である. 未知関数がゼロに近付くと拡散係数が発散し特異性が生じ,解は有限時間で消滅する. 薄膜運動や2次元リッチ流,ボルツマン方程式のカーレマンモデルの特異極限で 得られる方程式として知られている.
我々は,単安定型の反応項をもつ対数拡散方程式の進行波解を書き下し, 任意の正値解の漸近挙動を解明する.まず,どのような初期値を与えれば, フロント型の進行波解に漸近するかを明らかにする.次に, 遠方で指数減衰する解の挙動を,パルス型進行波の観点から, 完全分類し,その漸近挙動を解析する.
本研究は東京工業大学の柳田英二氏,岡山大学の物部治徳氏,神奈川大学の 松澤寛氏との共同研究である.