全空間領域上の二重拡散対流モデルに対する時間周期解の存在について
関数方程式セミナー
開催期間
2019.4.19(金)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
福岡大学・セミナーハウス・2階セミナー室D
講演者
内田 俊 (大分大学)
概要
本講演では,多孔質媒質中の非圧縮性粘性流体の二重拡散対流現象を記述する方程式系について考察する.この方程式系は線型化されたBrinkman-Forchheimer方程式と,移流項を含む熱・溶質の拡散方程式からなり,大雑把に言えばBoussinesq方程式系内のNavier-Stokes方程式をStokes方程式に置き換えたものと類似している.その為,熱・溶質に関する移流項を非単調摂動として持つものの,Navier-Stokes方程式やBoussinesq方程式系よりもその取扱いは容易であり,実際次元が4以下の非有界領域上の初期値境界値問題が,Large data(与えられたデータ,特に初期値,外力項,時間間隔について小ささの仮定を課さない)に対して一意大域的な強解を有することが既に示されている.一方で時間周期問題を考えると,時区間を絞ることが出来ない為に移流項の非単調性の影響がより顕著となり,領域の非有界性(コンパクト性の欠如)とLarge data(解の大きさを制御できない)が相反する条件となってしまう.これに対して我々は,「有界領域における時間周期解の領域拡大に際する収束性」を議論することにより,次元が3または4である全空間領域上の時間周期問題に対する強解をLarge dataについて構成したのでこれを報告する.なお本講演は大谷光春教授(早稲田大学)との共同研究に基づくものである.
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