Sobolev臨界指数を持つ高次元Kirchhoff型方程式の2つの正値解の存在について
関数方程式セミナー
開催期間
2016.10.28(金)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
福岡大学・セミナーハウス・2階セミナー室D
講演者
内免 大輔 (室蘭工業大学)
概要
本講演ではSobolev臨界指数を持つKirchhoff型非線形楕円型方程式について考える。一般に非線形楕円型方程式がSobolev臨界指数を持つ場合,対応するSobolev空間の埋め込みの非コンパクト性によりその解析は困難となる。一方でKirchhoff型非線形楕円型方程式は「伸びる」弦の自由振動を記述する波動方程式の定常問題であり,主要項が解自身のDirichlet積分量に依存する関数係数を持つことが最大の特徴である。本講演ではこのような非局所性と臨界非線形性の共存する問題に対し変分法を用いた解析を行う。特に興味深いのは,Palais-Smale列の挙動を特徴づける極限方程式の解の一意性が高次元(5次元以上)において破れている点である。このことにより集中コンパクト性解析に大きな困難が生じる。 我々はこの困難を克服するためにFibering map法を集中コンパクト性解析に導入する。結論として問題に2つの正値解が存在することを証明する。
本講演は柴田将敬氏との共同研究に基づく。
リンク:セミナーHP
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