転位の挙動をモデルとした界面方程式の解の一意性について
関数方程式セミナー
開催期間
2012.5.18(金)
15:30 ~ 17:00
15:30 ~ 17:00
場所
福岡大学・セミナーハウス・2階セミナー室D
講演者
三竹 大寿 (福岡大学・理)
概要
材料工学に現れる転位をモデルとした界面運動方程式についてお話
します.このモデルは,時間が経つにつれ,界面の初期包含関係が
保たれない例の一つです.従って対応する等高面方程式に対して,
解の比較定理が期待できないため,この等高面方程式の解の存在,
一意性は,今までの粘性解理論の一般論により示せません.数学的
には,界面の成長速度が,界面に囲まれる領域に依存して,非局所
的に決まる事が本質的な原因です.この方程式を動機として,コン
パクトな界面の成長速度が場所,時間,界面の法ベクトル,曲率と
界面に囲まれる領域に依存して決まるような,より一般の非局所界
面運動方程式に対して粘性解理論を展開する事を目指しました.そ
の結果,転位のモデル方程式の他に,フィッツフュー・南雲方程式
系のある特異極限として現れる方程式系も取り扱えます.本講演で
は,転位モデルに限定して話をしたいと思います.なお,本研究
は,Guy Barles教授,Olivier Ley教授との共同研究です.