地球温暖化によって高山植生に生じる「レジームシフト」の数理モデル解析 [IMI Colloquium]
- 開催期間
- 2019-11-14 16:45~2019-11-14 17:45
- 場所
- 九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館 4階 IMIオーディトリアム (W1-D-413)
- 受講対象
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- 講師
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矢吹 哲夫 (北星学園大学全学共通科目部門)
11月 IMI Colloquium | 日時:2019年11月14日(木) 16:45-17:45 | 場所:九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 ウエスト1号館 D棟 4階 IMIオーディトリアム(W1-D-413)(円形階段教室) | 講師:矢吹 哲夫 教授 (北星学園大学全学共通科目部門) | | 講演タイトル : 地球温暖化によって高山植生に生じる「レジームシフト」の数理モデル解析 =フィールド測定・実験との連携を踏まえて= | 講演要旨: 気候変動(地球温暖化)によって生じている可能性の高い大雪高山生態系の遷移(レジームシフト)の数理モデル解析を、フィールド現場での測定及び生態系回復実験のデータと照合しつつ、現実的な形での定量的な解析を行なった。その結果以下のことが明らかとなった。 (1)大雪(北海道)の高山植生は双安定構造をもち、気候変動による気温変化によってその構造が変化し、ヒステリシスで特徴づけられるレジームシフト(準不可逆遷移)が生じる。 (2)この遷移における温暖化の直接効果(気温上昇の光合成変化を通じた高山植生への影響)と温暖化の間接効果(気温上昇の雪解け条件の変化を通じた高山植生への影響)を比較すると後者が前者よりはるかに大きい。 (3)高山生態系回復(共同研究者工藤岳氏によるササ刈取り実験による希少な高山植生の回復)は、初期土壌水分量が刈取り効果によって漸次増加して、相構造の回復が実現する可能性を見出し、少なくとも一定期間安定的に高山植生が回復する可能性がある。 本講演では、以上を明らかにした数理モデル解析を紹介する。 (本研究は、『 文科省 科研費研究:矢吹哲夫 代表 基盤研究C 15K00524 』<2015年4月~2018年3月>及び『環境省環境研究・環境技術開発の推進戦略研究 工藤岳 代表(D-0904)』の助成を受けている。) | | | 11月 IMI Colloquium (2019/11/14開催)報告 |