教員紹介

斎藤 新悟( サイトウ シンゴ ) / 准教授

所属部局:部門

基幹教育院

研究キーワード

古典的実解析学、多重ゼータ値、保険数理

純粋数学では古典的実解析学および多重ゼータ値に,応用数学では保険数理に興味を持っています。

古典的実解析学では,大学初年級の解析学で反例として現れるような題材に関連した問題について深く考察しています。例えば,無理数で連続だが有理数で不連続であるような関数の例は比較的容易に構成できますが,有理数で連続だが無理数で不連続であるような関数は存在しないことが知られています。このような問題は,込み入ったε-δ論法のみで解決できることもありますが,集合や関数の複雑さを研究する記述集合論が必要になることもあります。

多重ゼータ値はリーマンゼータ関数の特殊値を多変数に拡張したもので,結び目理論や数理物理などでも姿を見せる興味深い数です。私は多重ゼータ値の間に存在する数多くの関係式について研究を行っており,そこでは解析的・組合せ論的な議論が必要となります。

保険数理では,損害保険会社との共同研究を通じて実務に関連した問題に取り組んでいます。適切な数理モデルを設定し,確率論および統計学的な手法を用いて解決を図っています。